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しこりの部分だけを切除して乳房を残す方法で、再発防止のために必ず手術後の放射線療法を行います。大きく切り取る定型切除手術に比べると温存手術は再発の可能性が高くなりますが、手術後に放射線をかけることによって、再発率を低く抑えることができます。再発してから乳房を切除しても、最初から切除した場合と生存率は変わらないため、手術後の負担を少しでも軽くしようと、現在ではこの温存手術を希望する人が増えています。ただし、しこりが大きかったり、広範囲にたくさんできていたり、乳管の中を広がっていくタイプのがんは、温存手術ができません。
以前から、欧米では定型的乳房切除手術は、ほとんど行われなくなり、かわって非定型乳房切除手術が行われるようになりました。さらに、早期の乳がんの場合には、乳房温存手術が盛んに行われています。このように乳がんの手術が縮小されるようになったのは、早期に発見される乳がんが増えたことと、乳がんの持つ特殊な正確がわかってきたからです。つまり、乳がんのなかには、しこりが見つかった時にすでに目に見えないような全身への転移が起きているものがあるために、乳房を切り取っても再発が起きてくるという考え方です。つまり、乳がんの中のある部分は、全身病であるという概念ですが、欧米ではすでにこの考えが定着し、日本でも容認される傾向にあります。したがって、乳がんの治療は手術だけではなく、なんらかの全身療法を組み合わせることが必要でしょう。